「饅頭(まんじゅう)」の話

 中国の北方(長江以北)の主食は、ご飯よりむしろ「饅頭」です。ただ日本人は「饅頭」と聞くと中に餡(あん)が入ったものを想像しますが、中国の「饅頭」は何も入っていません。いわゆる「蒸しパン」みたいなものです。
 ところが、南方(上海を中心とする江南地方)では、「饅頭」というと中にちゃんと餡が入っています。もちろん「餡」といっても甘い餡ではなくて(甘い餡もあります)、一般的には「肉」が入っています。つまり「肉まん」です。北方ではこの「肉まん」のことを「包子」といいます。南方ではこれを「饅頭」というのです。「小籠包」も「包子」の一種ですが、上海の豫園にある「南翔饅頭店」の「小籠包」は有名です。最近では東京の六本木ヒルズや大阪心斎橋にも支店があります。特に「蟹みそ」が入ったものはおいしくてお薦めです。
 つまり、日本語の「饅頭」は、中国の南の言い方が入ってきたものだということがわかります。

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内田慶市

内田慶市関西大学外国語学部教授

投稿者プロフィール

福井生まれ。現在、関西大学外国語学部で教鞭をとる。専攻は「中国語学」。この10数年は特に、「近代における『西学東漸』と言語文化接触」を主な研究テーマとし、さらには、新たな学問体系である「文化交渉学」の確立を目指して研鑽中
パソコンは約25年前に、NEC9801VXIIを使い始め、その後、DOS/Vから「Mac命」に。Mao's Home Page

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