“圆满”――主人公のいない小説

 催し物が滞りなく終了したとき、中国語ではよく“本次大会圆满结束了”などといいます。この“圆满”(円満な)という言葉にも中国人の「物の見方・考え方」が反映されています。中国では「完全」なものの象徴は「円」ですが、ギリシャでは「球」です。「平面的」と「立体的」の違いといっていいでしょう。このことは、中国と西洋の建築物の違いにも表れています。西洋では古くから高く立体的な「城」がたくさん建てられています。ところが、故宮の建築物は上に向かうのではなくて、むしろ横に広がっています。同じように、西洋の小説にはだいたい「主人公」が登場しますが、中国の小説、『水滸伝』の主人公は誰でしょうか。ある人は「宋江」と言うでしょうし、「林冲」と言う人もいるでしょう。『西遊記』でも、三蔵法師か、孫悟空か、判断の分かれるところでしょう。『三国志』は劉備? それとも曹操、孫権でしょうか。『紅楼夢』には12人もの女性が登場します。つまり、「主人公のいない」のが中国小説の特徴なのです。曼荼羅(まんだら)でも、チベットのそれが「立体的」であるのに対して、中国は「平面的」だといわれています。

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内田慶市

内田慶市関西大学外国語学部教授

投稿者プロフィール

福井生まれ。現在、関西大学外国語学部で教鞭をとる。専攻は「中国語学」。この10数年は特に、「近代における『西学東漸』と言語文化接触」を主な研究テーマとし、さらには、新たな学問体系である「文化交渉学」の確立を目指して研鑽中
パソコンは約25年前に、NEC9801VXIIを使い始め、その後、DOS/Vから「Mac命」に。Mao's Home Page

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