小陳の中国よもやま話―その6:“舌尖上的中国”


yubiteki_markこの教材はYubiquitous Textで視聴することもできます。

舌尖上的中国

   汉语中的“啤酒”是英语“beer”的意思。“啤”,并非古已有之的汉字,而是为了表达欧洲新传入事物“beer”而特别制造的新字。其中左边的“口”字旁表义,右边的“卑”字只表音。同时,为表明其作为酒的本性,参照“黄酒”、“白酒”等双音节已有词汇,后缀一个“酒”字,组成“啤酒”一词。
   如“啤酒”这类词汇,在与外来文化的接触之中,作为文字之国的中国创造出了许多词汇来表达新事物。不仅有“啤”等主要表音的词,更有诸多利用固有文字音译兼得的词汇。如20世纪早期的“引得(index)”、“浪漫(roman)”、60年代之后的“宝马(BMW)”、“奔驰(benz)”、以及90年代以后的“奔腾”(pentium)、“三得利”(suntory)等。尽管这些词分布在各个领域,其出现时代与普及时间不尽相同,但将表音性与表义性融为一体的这些翻译词汇,在中国接受与融合外来文化的过程之中起到了不可小觑的作用。
   话说回来,说起中国的酒类,许多人首先想到的可能是白酒、绍兴酒等传统酒类,正如一谈到中国的食品,饺子特别是会浮现于人们脑海之中一般。
   尽管如今水饺的普及程度已经遍及大江南北,但在物流尚不发达的2、30年之前,主要还是集中于北方,尤其是淮河以北的地区。南方地区,特别是在江浙以南区域的存在感不是很强。正如日本的关东与关西地区之间光是面食就有较大区别一样,中国的长江南北区域之间的饮食文化也大相径庭。
   中国饮食自古以来有“八大菜系”之称,东西南北各有自己的代表性菜式。简而言之,由北至南、自西往东,口味渐趋清淡。出人意料的是,以“辣”著称的川菜(即“四川料理”)其实更偏向于“麻”,真正辣死人不偿命的其实是湖南菜。与此相对的是,上海及江苏南部偏向于甜,福建广东等则更多清淡与凉苦。各地“酸甜苦辣”的口味正如人生的滋味一般复杂多样。
   然而,随着人员迁移的频繁化与交通物流的发达,外来人口集中的大中城市大都可以找到各地口味的饭店。一来丰富了当地百姓的饮食文化,二者可以为外来人口稍解思乡之苦。与此同时,也引发了当地人士对外地饮食文化的浓厚兴趣与外来人口对家乡饮食的强烈思念。在此背景之下,自2012年5月开始,中国中央电视台(CCTV)开始了一档以沉睡于各地的珍味特产为主题的纪录性节目,名曰《舌尖上的中国》,在全国各地引起了广泛的怀旧思潮。2014年4月,又推出《舌尖上的中国》第二季,继续寻找着母亲的味道、家乡的味道。
无论哪个国家,无论哪个时代,母亲与家乡的味道永远都连接着人们的灵魂深处。

 中国語の“啤酒píjiǔ”とは、ビールのことです。“啤”は元々中国語にない漢字で,ヨーロッパから入ってきた新しい事物である「ビール」を“口+卑”で表したのですが,音訳の“啤”の一文字だけでは意味が通じにくく,落ち着きも悪いため,誰にでも分かる“酒”を付けて“啤酒”にしたわけです。
 このように,外来文化と接するなかで,中国においては文字の国ならではの訳語が多く考案されました。例えば,20世紀早期の“引得yǐndé”(インデックス),“浪漫làngmàn”(ロマン),“可口可乐kěkǒukělè”(コカ・コーラ)や,60年代以降の“宝马bǎomǎ”(BMW),“奔驰bēnchí”(ベンツ),90年代以降の“奔腾bēnténg”(CPUのペンティアム)などのように,一見してイメージが沸きやすい上、語源にも辿りやすいという,表音性と表意性の両方を兼ねた翻訳語は,欧米文化の受容に一役買ってきたのです。
 ところで,中国の食文化と言えば,餃子とくに水餃子のイメージが強いですが,実は物流が発達する20年程前までは,餃子を食べるのは主に北方,つまり揚子江以北の地域であり,南の方ではあまり食べられていなかったのです。日本では関東と関西で蕎麦文化とうどん文化に大きく分かれる傾向があるのと同じように,中国では南北,すなわち揚子江以北の地域と以南の地域で,主食が小麦と米にはっきりと分かれています。
 また,中華料理には古くから“八大菜系bādàcàixì”といって,東西南北それぞれの地域の味覚を代表した料理があり,簡単に言えば,北から南へ,西から東へと行くにつれて薄味になりがちと言われています。そして,一般的に“辛い”イメージの四川料理は実は“辣là”(火を噴くような辛さ)よりも“麻má”(舌が痺れ、感覚が麻痺してしまう刺激)のほうが強く,本当に“辣”なのは湖南料理であるなど,“酸甜苦辣suāntiánkǔlà”の味わいは実に複雑です。
 2012年5月に,これまで見過ごされがちであった全国各地の珍味を発掘した《舌尖上的中国》(舌先の中国)というドキュメンタリーがCCTVで放送され,ノスタルジーブームを巻き起こしています。交通の便が良くなると共に,似たり寄ったりになりつつある現代の食文化を見つめなおそうではないかというふうに、伝統的な料理,ないし伝統文化そのものを見直す契機ともなっているようです。

日本語文の出典:「中国語よ~いドン!」紅粉芳惠・陳贇(同学社)を改編
音声吹き込み:薄培林(関西大学・非常勤講師)

※本コンテンツの一部は、科研費・基盤研究 (C) 課題番号:25370665「中国語教育におけるワンコンテンツ・マルチユースに基づく実践的教材共有のモデル化」の助成を受けたものです。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
陈赟

陈赟関西大学東西学術研究所非常勤研究員

投稿者プロフィール

浙江省出身。1974年10月1日生まれ。日本語学習歴22年。厦門大学で日本語を専攻し、関西大学に留学。関西大学大学院文学研究科(国文学専攻)博士課程修了。博士(文学)。関西大学東西学術研究所非常勤研究員。インタビュー動画『采访中国人』に出演。

この著者の最新の記事

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ブログアンテナ

[wp-rss-aggregator limit='5' thumbnails='no' excerpts='no']

Twitter

ピックアップ記事

連載一覧

  1. 【連載】大塚犬のちょこっとチャイナレポート in Japan

  2. 【連載】炒冷饭

  3. 【連載】小陳の中国よもやま話

  4. 【連載】すり込みファイブ

  5. 【連載】15分チャイニーズ

  6. 【連載】中国語の検索を極める

  7. 12月は関大で中国語三昧!中国語教育学会研究会×第4回中国語教育ワークショップ

  8. 【連載】中国語Q&A

  9. 【連載】小紅のなるほど中国

  10. 【連載】プチIT中国語学習

投稿の全記事数: 884件

こんな記事はいかが? 【中国語会話】CS4...

ページ上部へ戻る