【連載】現代に生きる中国古典

連載の紹介:中国は悠久の歴史の中で多くの書物が編まれ、その中から多くの古典が生まれてきた。中国語を学ぶものは、ほとんどの場合、現代中国語(口語)を学び、古典文(文語)は特別な感心を持たない限り、積極的に学ぶことはないように思われる。古典を知らなくとも、実際のコミュニケーションや生活に差し障ることは殆どないだろう。
 だが、中国では古典が教養として、あるいは、行動の規範として根付いる。中国でビジネスをする日本人にとって、『韓非子』や『貞観政要』が、中国人的思考を学ぶ必読の書となっていることはその例であろう・・・(第1回目「元首たちの古典教養」より)
難易度:★★
更新頻度:1か月に1回(不定期)

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連載記事一覧

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     「臍を噬む」は「後悔する。取り返しのつかないことを悔やむ」(『広辞苑』第七版)という意味で、後になってからあの時やっていればと悔いることを表します。もっとも最近では、後になってふり返るのではなく、ただ、ひどく悔しい思い…
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  • 第9回 日本語の中の中国語その4―泥酔―|現代に生きる中国古典

     先日、授業を何度も休んでいた学生が、久々に授業に出てきた。筆者が欠席の理由をたずねたところ、学生から「バイトで泥のように働いていました」との返事が返ってきました。耳慣れない言葉に、誤用ではないかと指摘すると、学生はこう…
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  • 第13回 日本語の中の中国語その6―口は災いのもと―|現代に生きる中国古典

     インターネットを見ていると、連日のように失言に関する話題を目にします。失言は恐ろしいもので、たった一言の余計な言葉のために社会的地位を失った人もいました。まさに「口は災いのもと」です。「口は災いのもと」は、「口は禍の門…
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  • 第11回 日本語の中の中国語その5―数奇―|現代に生きる中国古典

     台湾の映画監督である侯孝賢の最新作「刺客聶隠娘(邦題「黒衣の刺客」)」が間もなく日本で封切られます。「悲情城市」の侯孝賢がメガホンを取るほか、古典小説「聶隠娘」がモデルとあって、公開が楽しみです。先日、この映画の紹介を…
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  • 第3回 元首たちの古典教養その2―嘤其鸣矣,求其有声|現代に生きる中国古典

     最近、中国人留学生が中国語の授業を履修するようになってきた。授業では、日本人学生の会話の練習相手になってもらったり、最新の中国事情を話してもらったりと、協力してもらっている。彼らは、授業や日本での暮らしで感じた日本と中…
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  • 第1回 元首たちの古典教養|現代に生きる中国古典

     中国では悠久の歴史の中で多くの書物が編まれ、その中から多くの古典が生まれてきた。中国語を学ぶものは、ほとんどの場合、現代中国語(口語)を学び、古典文(文語)は特別な関心を持たない限り、積極的に学ぶことはないように思われ…
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  • 第2回 内助|現代に生きる中国古典

     ヤンキースの田中将大投手が、故障からの復帰戦を勝利で飾ったとの報道が伝えられた。野球に限らず、サッカー、テニスなど、日本人選手の海外での活躍が連日のように報道される。そして、メディアは同時に選手夫人の「内助の功」につい…
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  • 第7回 日本語の中の中国古典その3―満を持す―|現代に生きる中国古典

     先日、野球のイチロー選手がマーリンズへ移籍後、初めて試合に出場したというニュースを読んだ。イチロー選手は、控え選手として試合開始を迎えたが、8回に代打で出場を果たした。イチロー選手の登場を待ち望んでいた現地のファンは、…
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  • 第5回 日本語の中の中国古典その2― 紅一点 ―|現代に生きる中国古典

     先日、近所の郵便局へ手紙を出しに行った。郵便局には郵便と預金の窓口があり、それぞれに担当職員が座っている。そして、窓口の隣に20センチ四方のホワイトボードがあり、そこに、ポップな文字で担当職員の名前とコメントが書いてあ…
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  • 第15回 日本語の中の中国語その6―――手に汗を握る|現代に生きる中国古典

     手に汗握る熱戦!スポーツの見出しなどでよく見る言葉です。この「手に汗を握る」という言葉が、使われる場面を調べてみると、やはり野球の好ゲームなどスポーツと結びつけられて使われることが多いようです。この他には、少数ですが、…
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  • 第26回 元首たちの古典教養その14――十年磨一剑|現代に生きる中国古典

    koten0026  近年、日本では学術論文の不正が問題となっています。中国でもこのような問題は起きていて、その最も有名なものに「漢芯事件」があります。これは、上海のある大学教授が革新的な性能を持つ半導体の製造法を…
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  • 第27回 日本語の中の中国語その12――贔屓|現代に生きる中国古典

     このコーナーではいつも、ことわざを中心に、中国の古典に由来する言葉を紹介していますが、今回はことわざではなく、「贔屓」という語彙を取り上げ、その古典の言葉から現代日本語への変遷について紹介したいと思います。  「贔屓…
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  • 第35回 日本語の中の中国語その16――呉越同舟

     「呉越同舟」というと、「仲の悪い者同士が同じ場所にいること。また、行動を共にすること。」(『大辞林』)を指します。この言葉は兵法書として有名な『孫子』に由来しています。以下、『孫子』を少し読んでみましょう。該当部分は問…
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  • 第36回 元首たちの古典教養その19――谁言寸草心,报得三春晖

    温家宝は母校の北京地質学院で講演をしました。講演では、地質学の研究に没頭した自身の学生時代をふり返り、結核にかかって部屋を隔離されながらも勉強を続けたことを紹介しました。そして、この様な苦労が自分を精神的に鍛え上げたのだ…
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  • 第34回 元首たちの古典教養その18――世上无难事,只要肯登攀

     古典というと近代以前に記された書物と思いがちですが、決してそうとは限りません。近代中国成立以後の人物が書いた詩文であっても、広く中国人に知られ、時代を超える普遍的価値を持つものであれば、それは新たな古典になります。元首…
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  • 第31回 日本語の中の中国語その14――目に一丁なし(1)

     「目に一丁字なし」は、「全く文字が読めない。無学である。」(『日本国語大辞典』)という意味です。この言葉の由来については『大漢和辞典』に詳しい説明があるので、まずはこれを紹介します。『大漢和辞典』の「不識一丁字」項目に…
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  • 第33回 日本語の中の中国語その15――圧巻

     筆者が中国語を教わったある先生は、毎回の授業で必ず小テストを行いました。翌週の授業で採点した答案を返してくれるのですが、この時に、満点が一番上に来るよう点数の良い順に答案を並び替え、点数の高い人から順に返却するのでした…
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     「食指が動く」という言葉があります。「食指を動かす」ともいい、『広辞苑』第六版によると「食欲が起こる。転じて、物事を求める心が起こる」という意味です。  「食指が動く」は『春秋左氏伝』に伝わる出来事に由来します。舞台…
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  • 第17回 枕を高くする|現代に生きる中国古典

    先日、友人と話している時のこと、「枕を高くする」という言葉があるが、どうして「安心する」と言う意味になるのだろうか、枕が高ければ、かえって寝づらいだろう、と話題になりました。 「枕を高くする」は、「何の不安もなしに…
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西川芳樹関西大学非常勤講師

投稿者プロフィール

大阪府岸和田市出身。
関西大学文学研究科総合人文学専攻中国文学専修博士課程後期課程所定単位修得退学。
関西大学非常勤講師。
中国古典文学が専門。

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