Inbound Chinese 015 あの人たちとは違うんです

あの人たちとは違うんです

 中国人観光客の中には中国での雑踏などから逃れて,日本でゆっくりしたいという人も増えてきています。そのような人たちの中にはこれまでの中国人観光客とは一緒にしてほしくないという意識があるようです。Inboundではないですが,今回はそのような中国人観光客の人たちの声を聞いてみましょう。


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  中国城市使用智能手机的人在增加,电车内通过发送短信和SNS来打发时间的人也在增加,离乡外出打工的人也有智能手机,但是有一些来城市打工的还不太会使用这些功能,所以有时会听到他们在电车里大声地打电话。

  来日本享受家庭温泉包间,品尝精致的日本菜。因为是以放松为目的,所以不想被任何人打扰。在中国被工作所迫,来到日本就想悠闲自在地呆着。与中国相比,日本旅馆虽然有些陈旧,但是服务等方面体贴入微,住起来很舒适。

  有一次,我漫步在往清水寺去的坡道上,突然有人从身后“咚”一下撞过来,我吓了一跳。我心里想“怎么回事儿啊?”然后我就听到了大声的中国话,回头一看,是几个五、六十岁的中国人吵吵嚷嚷地边聊天边走路,所以才撞了我。他们都是团体旅行的中国游客,不顾及给周围人造成的麻烦,在狭窄的坡道上叽叽喳喳地大声喧哗。虽然我也是中国人,但是也深感遗憾。

  即使周末全家去高级餐厅,在中国,店员的服务也大多不到位。尽管说服务质量正在飞速提升,但仍然无法与日本相提并论。在日本的高级餐厅里所享受的服务,在中国人看来,就像是沉醉在“上帝”待遇中一般让人心情愉快。

  明明为寻求“安神”和“放松”而来到日本,却偏偏常常遇到吵吵闹闹的中国人,就好像又被拽回到了中国。虽然也不是不能理解他们初次日本旅行的心情,但是说心里话,真的不想与他们在同一个空间里呆着。

 中国の大都市ではスマートフォンを使う人が増え,電車内ではショートメールやSNSで時間をつぶす人も増えていますが,地方からの出稼ぎの人々もスマートフォンを持っているのですが,あまり使い方がわからない人たちもいるので,電車内で大声で電話をしているのが耳に入ります。

 家族だけで貸し切りの温泉付きの個室を予約して,手の込んだ日本料理に舌鼓を打つ。リラックスすることが目的なので,誰にも邪魔されたくないと思っています。中国では仕事に追いまくられているので,日本に来てのんびりしたいんです。中国に比べ,日本の旅館は少々古びてはいますが,サービスなどが行き届いていて,居心地がいいです。

 以前,清水寺に行く坂道を歩いていたとき,背後から人がどーんとぶつかってきて,驚きました。心の中で「何だ?」と思っていたら,その後大声の中国語が聞こえてきたんです。振り返って見てみると,50~60代くらいの中国人数人がわいわいがやがやとしゃべりながら,歩いていて,自分にぶつかってきたんです。それは団体ツアーの中国人で,周囲の迷惑を顧みず,細い坂道でギャーギャーと騒いでいました。自分も中国人ですが,残念な気持ちになりました。

 週末に家族で高級レストランに行っても,中国では店員のサービスが行き届かないことも多いです。急速にサービスの質がアップしているとはいえ,日本とは比べものになりません。日本の高級店で受けるサービスは中国人から見れば“殿様気分”に浸れるほど気分のいいものです。

 “癒し”や“リラックス”を求めて日本に来ているのに,うるさい中国人にしょっちゅう出くわし,“中国”に引き戻されてしまったように感じます。初めての日本旅行を楽しんで,はしゃいでいる彼らの気持ちもわからないではないですが,同じ空間にいたくないというのが本音です。

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【注釈】
智能手机:スマートフォン。
打发:“打发”は時間や日を過ごすという意味。目的語に“时间”をとって,「時間をつぶす」という意味になります。
包间:個室スペース。“包”は「貸し切る;チャーターする」という意味です。
以~为…:~をもって…とする。
体贴入微:至れり尽くせりの世話をする。
吵吵嚷嚷:やかましく,がやがや騒ぐ。
叽叽喳喳:人がうるさくおしゃべりする様。ぺちゃくちゃ。
相提并论:同一に論じる;同一視する。
吵吵闹闹:やかましく騒ぐ。“吵吵嚷嚷”と異なり,人間の話し声だけとは限らず,“吵吵闹闹的街道”と言うことができます。
拽回:引っ張り戻す;引き戻す。

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中村俊弘

中村俊弘関西外国語大学英語国際学部教授

投稿者プロフィール

 関西外国語大学英語国際学部教授。前回の東京オリンピックの少し前に京都市に生まれる。インタースクール大阪校中国語教務コーディネーターを経て,現職。18歳で先生方に用意していただいた中国語の林に足を踏み入れ,やがて森に迷い込んで30数年,いまは樹海の中を彷徨っているようで,出口らしきものが見えるどころか,ますます奥深く入って行っている。漠然と中国語が上手くなりたいなと思っているだけではダメだと最近ようやく気づいた。
 「羅布泊」というものを書いています。これはわたしが前の職場の受講生や若手講師に向けて,中国語や中国に関連することを書いているもので,10年くらい(2~3年書かなかったこともあります。 ロプノールですから消えたり,現れたりします)書いています。個人の見解も入っていたりしますが,いちいち断りはしていませんが,誰かの説やどこかの本で見たものを紹介していることもあります(もちろん自分の見解であるかのような書き方はしていません)。民間の語学学校の人にはそういう「紹介」が必要でした。“班门弄斧”な感じですが,もし,送信希望の方がいらっしゃいましたら,お名前を明記の上,luobupo[at]hcn.zaq.ne.jpまでメールをお送りください。

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