「さようなら」と“再见”

 だいぶ前の台湾の映画に「さようなら・(追加)再见 また逢う日まで(削除)」というのがありました。「さようなら」も“再见”も、それぞれ人と別れるときの言葉です。でも、この2つの表現はどこか微妙に違っているように思います。
 日本語の「さようなら」はどこか寂しさが漂っていて「感傷的」であるのに対し、中国語の“再见”には「暗さ」は感じられず、むしろ「希望」が含まれている感じがするのです。「会うは別れの始め」といいますが、中国語の場合は「次の出会いが約束されている別れ」というイメージなのです。日本語だと「それじゃ、また」ということになるのでしょうか。ですから、好きな人と別れるとき、二度と会わないときには、中国語では“再见”ではなく“我们分手了”などと言ったりするようです。
 この点では、英語の“See you again !”“See you later !”も同じように思われます。ただ英語にはもう一つ“Good bye ! ”という言い方もあります。この場合には、“Good bye my love.”と言えるように、日本語の「さようなら」に近い表現になるでしょう。この“Good bye.”“Bye-bye.”は、今では中国語(“拜拜”)にもなっています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
内田慶市

内田慶市関西大学外国語学部教授

投稿者プロフィール

福井生まれ。現在、関西大学外国語学部で教鞭をとる。専攻は「中国語学」。この10数年は特に、「近代における『西学東漸』と言語文化接触」を主な研究テーマとし、さらには、新たな学問体系である「文化交渉学」の確立を目指して研鑽中
パソコンは約25年前に、NEC9801VXIIを使い始め、その後、DOS/Vから「Mac命」に。Mao's Home Page

この著者の最新の記事

関連記事

コメントは利用できません。

ブログアンテナ

[wp-rss-aggregator limit='5' thumbnails='no' excerpts='no']

Twitter

ピックアップ記事

連載一覧

  1. 中国語教育ワークショップ第3弾|榎本英雄先生と沈国威先生による講演!

  2. 【連載】実戦の中国語コミュニケーション

  3. 【連載】中国語医療通訳トレーニング

  4. 【連載】中国人である私から見た日本

  5. 【連載】中国の流行語

  6. 【連載】プチIT中国語学習

  7. 【連載】すり込みファイブ

  8. 12月は関大で中国語三昧!中国語教育学会研究会×第4回中国語教育ワークショップ

  9. 【連載】ビジネス中国語

  10. 【連載】炒冷饭

投稿の全記事数: 884件

こんな記事はいかが? 「すみません」...

ページ上部へ戻る