学習者の興味・関心を広げるため、各課の会話文に関連した小ネタ(ちょっとした文化紹介)を集めてみました。授業のスパイスにいかがでしょう?

第1課 先生、こんにちは。

早口言葉
 「生麦、生米、生卵」「青巻紙、赤巻紙、黄巻紙」…私たちでも舌を咬みそうになりますが、外国語の発音をマスターする方法のひとつとしても早口言葉が取り上げられています。

 中国語にもたくさんの早口言葉“绕(rào)口(kǒu)令(lìng)”があります。

①“妈(mā)妈(ma) 骑(qí) 马(mǎ),马(mǎ) 慢(màn),妈(mā)妈(ma) 骂(mà) 马(mǎ)”(お母さんはウマに乗ったけれど、ウマは走るのが遅いので、お母さんがウマを叱った)

②“四(sì) 是(shì) 四(sì),十(shí) 是(shì) 十(shí),十(shí)四(sì) 是(shì) 十(shí)四(sì),四(sì)十(shí) 是(shì) 四(sì)十(shí)”(4は4、10は10、14は14、40は40)

③“吃(chī) 葡萄(pútao),不(bù) 吐(tǔ) 葡萄(pútao) 皮儿(pír),不(bù) 吃(chī) 葡(pú)萄(tao),倒(dǎo) 吐(tǔ) 葡(pú)萄(tao) 皮儿(pír)”(ブドウを食べる時に、ブドウの皮を吐き出さず、ブドウを食べていないのに、ブドウの皮を出す)
(① 声調の練習、② 舌尖音とそり舌音の練習、③ 有気音と無気音の練習)

どうですか。うまく、言えましたか?

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第2課 高校生ですか?

子ども料金
 日本では、電車やバスなどの子ども料金は、年齢によって「幼児(1~未就学児)」と「小人・子ども(小学生)」とに分けられています。幼児は大人と同乗する場合は無料で、小人料金は、大人の半額であることが一般的です。

 中国の子ども料金は、身長によって決められています。従来は1.1~1.5mが無料乗車の基準でしたが、近年子どもたちの発育もよくなり、中国鉄路総公司は、2010年12月1日より1.2~1.5mと修正しました。しかしこの基準は全国共通であるものの、地域や同じ都市内でも異なることもあり、トラブルも起こっているようです。

また、公園や遊園地などは、依然といて身長を基準としているところが主流のようです。

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第3課 お名前は?

中国人の姓
 中国人の姓は1文字が主流です。
 トップ10は“李(Lǐ)” “王(Wáng)” “张(Zhāng)”“刘(Liú)”“陈(Chén)”“杨(Yáng)”“赵(Zhào)”“黄(Huáng)”“周(Zhōu)”“吴(Wú)”だそうです。(2015年)トップ4は“四大姓(sìdàxìng)”と呼ばれ、ナンバー1の“李”さんは約9500万人、漢族の約8%ととも言われています。
 クラスの中にも王さんや李さんが何人もいるので、名字だけで呼んでも誰のことだかわかりません。一般的には「さん」や「君」などの敬称を付けずにフルネームで呼びます。また、友達や家族などの親しい間柄でも、フルネームで呼ぶことが多いようです。
 また、“司马(Sīmǎ)”“欧阳(Ōuyáng)”“诸葛(Zhūgě)”などの複姓“复姓(fùxíng)”の人もいます。
 一度、天安門広場で大きな声で「李さ~ん!」と叫んでみてください。一体、何人の人が振り向くでしょうね。

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第4課 これはシューマイですか?

中華料理
 中華料理“中(Zhōng)国(guó)菜(cài)”は、“四(sì)大(dà)菜(cài)系(xì)” (四大中華)、“八(bā)大菜系”(八大中華)と分けられています。
 “南(nán) 甜(tián) 北(běi) 咸(xián),东(dōng) 辣(là) 西(xī) 酸(suān)”は、中華料理の味の特長を表す言い方です。「南方は甘く、北方は塩辛い、東の方はピリリと辛く、西の方は酸っぱい」という意味です。
 “四大菜系”は“鲁(Lǔ)菜(cài)”(山東料理)、“川(Chuān)菜(cài)”(四川料理)、“淮扬(Huáiyáng)菜(cài)”(江蘇料理)、“粤(Yuè)菜(cài)”(広東料理)です。
 “鲁菜”は、北京料理の原型で、ネギやニンニク、ショウガなどを生かした塩味が特徴です。
 “川菜”は、夏は高温、冬は寒冷のため、唐辛子や山椒などの香辛料を効かせた辛い料理です。
 “淮扬菜”は、素材の持ち味を生かし、醤油や砂糖がよく使われます。
 “粤菜”は、「食は広州にあり」「空を飛ぶものは飛行機以外、四つ足のものは机、椅子以外何でも食べる」と言われるよう、様々な食材を使います。
 また“八大菜系”は、“四大菜系”に“浙(Zhè)江(jiāng)菜(cài)”(浙江料理)、“闽(Mǐn)菜(cài)”(福建料理)、“湘(Xiāng)菜(cài)”(湖南料理)、“徽(Huī)菜(cài)”(安徽料理)を加えたものです。
 “浙江菜”は、淡水の魚介類がよく使われ、淡白な味付けです。
 “闽菜”は、海産物を多用し、甘酸っぱい味付けのものもたくさんあります。
 “湘菜”は、“川菜”以上の辛さが特徴ですが、辛みのほか、酸味を効かせるのが特徴です。
 “徽菜”は、山菜や淡水の魚介類、野生動物を食材とし、油をたくさん使います。

“小吃”
 辞書では「軽食」や「スナック」などと訳されていることも多いようですが、中国語の“小吃(xiǎochī)”は、店や屋台で食べる麺類やギョーザ、シュウマイ、粽やお粥などをさし、日本語の「軽食」とはずいぶん異なります。

 “面(miàn)条(tiáo)”:麺類。「ラーメン」の語源は“拉(lā) 面(miàn)”だとする説があります。“拉”は「引っ張る」という意味で、“拉面”は「麺を(伸ばして)打つ」となり、ラーメンそのものはさしません。
 “锅贴儿(guōtiēr)”:焼きギョーザ。日本では焼きギョーザが主流ですが、中国の北の方では「水ギョーザ」“水饺(shuǐjiǎo)”を主食として食べます。焼きギョーザは元々、残り物を焼いて食べたものだったとも言われています。
 “油(yóu)条(tiáo)”:揚げパン。日本の揚げパンのように甘くはありません。朝食にお粥や豆乳と一緒に食べます。
 “包(bāo)子(zi)”:中華まんじゅう。中の餡によって呼び方が違います。“肉包”肉まん、“菜包”野菜まん、“豆沙包”あんまん。
 “春卷儿(chūnjuǎnr)”:春巻。立春の頃、春の野菜を具として巻いて作られたことからこの名前がついたとも言われています。
 “粥(zhōu)”:おかゆ。スープで煮込み、豚肉やピータンなどの具をのせて食べます。

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第5課 おいしい!

飲み物
 低糖、無糖!?
 ご存知キリンビバレッジの生茶(“麒麟生茶”) やサントリーのウーロン茶(“三得力乌龙茶”)は中国でもよく見かけます。その生茶のパッケージには “无糖” と書かれています。“无糖”「無糖」!?なぜわざわざ!? それは“低糖”もあるからです。中国ではペットボトルや缶入りのお茶に糖分が添加されているものが歓迎されるようです。気づかずに買って飲むとかなりショックです。
買うときは無糖かどうかを確認しましょう!

中国の通貨
 人民币Ren Min Bi の頭文字をとってRMBと表記されます。
 1角札の表の図柄は少数民族の高山族と満族です。5角札はミャオ族とチワン族です。
 1元~100元札の表はいずれも毛沢東が描かれています。1元札の表には蘭の花が、裏には杭州の西湖が描かれています。5元札の表には水仙、裏には泰山、10元札の表には中国原産の“月季”(コウシンバラ)、裏には長江の三峡、20元札の表には蓮の花、裏には桂林の山水、50元札の表には菊の花、裏にはラサにあるポタラ宮殿、100元札の表には梅の花、裏には北京の人民大会堂がそれぞれ描かれています。
 1元硬貨はニッケルでできており、裏面には菊の花が、5角硬貨は銅の合金でできており、裏面には蓮の花が、1角硬貨はアルミ合金でできており、裏面には蘭の花がそれぞれ描かれています。

“大写”
 中国語にも数字を改ざんされないように「大字」があります。紙幣にもこの「大字」が書かれています。中国語では“大写”と言います。
 それぞれは次のようになります。
  一 二  三   四  五  六 七 八 九 十 百  千
 “壹”“贰”“叁”“肆”“伍”“陆”“柒”“捌”“玖”“拾”“佰”“阡”

カフェメニュー
この飲み物は何でしょう。(クイズシートあり)
1. 意(yì)式(shì)浓(nóng)缩(suō)咖(kā)啡(fēi)
2. 卡(kǎ)布(bù)奇(qí)诺(nuò)咖(kā)啡(fēi)
3. 摩(mó)卡(kǎ)咖(kā)啡(fēi)
4. 拿(ná)铁(tiě)咖(kā)啡(fēi)
5. 大(dà)吉(jí)岭(lǐng)
6.伯(bó)爵(jué)
7.祁(qí)门(mén)
8.正(zhèng)山(shān)小(xiǎo)种(zhǒng)
9.乌(wū)沃(wò)
10.阿(ā)萨(sà)姆(mǔ)

Darjeeling   Espresso Cappuccino  Earl Grey  Café Mocha Café Latte
.Keemun    Uva     Assam Lapsang Suchong

この中でもダージリン、キーマン、ウバ、アッサムは4大紅茶と言われています。ここにある“祁门”“正山小种”は中国産の有名な紅茶です。

中国のお茶
 中国のお茶といえば、ウーロン茶、ジャスミン茶を思い浮かべると思いますが、中国のお茶は奥が深くまるでワインのようです。種類と銘柄の多さ、産地、畑、作られた年、摘まれた時期、入れ方等によってそれぞれ異なっています。
 中国では5000年前に神農氏がお茶の解毒作用を発見したと語られています。中国では古くからお茶を飲む習慣があり、中国文化の欠かせない一部となり、今でもそれは変わりません。
日本には奈良時代にお茶が伝わり、『東大寺要録』には行基が寺を建立するのと同時に茶の木を植えたとあります。その後、12世紀に栄西禅師が『喫茶養生記』を記し、日本でもお茶が広まっていったそうです。
 お茶の種類
 発酵の浅いものから順に緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶の6種あります。
緑茶で有名な銘柄は“龙井茶”“碧螺春”など、白茶では“白毫银针“寿眉”など、黄茶では“君山银针”など、青茶では“铁观音”“武夷岩茶”“冻顶乌龙”“大红袍”など、紅茶では“祁门”“正山小种”など、黒茶では“普洱茶”などがあります。
 それ以外に花の香をつけた“花茶”も中国では好まれています。

香りを楽しむか、うまみを楽しむか、それぞれの「おいしい」を探して飲み比べてみるのもいいですね。
参考:『中国茶図鑑』文芸春秋 他

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第6課 ある、いる

ペット
 中国で飼われているペットは犬、猫、鑑賞用魚、ウサギ、亀、ハムスター等が多いようです。少々マイナーかもしれませんが、蜘蛛やコオロギなどもあるようです。
 中国には古くから蟋蟀を闘わせる「闘蟋(トウシツ)」や、蜘蛛を戦わせる遊びがありました。これらは日本や東南アジアに伝わり、昆虫相撲として今も各地に残っています。
 かつて公園で鳥かごを持ち寄り鳴き声を競っている風景がよく見られものですが、今では可愛い服を着せた犬を散歩させているのをよく見かけるようになりました。
 北京、上海、広州、重慶、武漢は中国の「5大ペット都市」と言われています。生活が豊かになるに伴い、ペットを飼う人も増加しています。ペットは今や家族の一員となり、ペットフード、ペット用品、ペット医療・美容、ペット葬儀などのサービスも出現し、ペット産業は有望な成長マーケットとなっています。

参考:中国宠物市场的现状
中国从无行业现状

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第7課 しました

お買い物
冲(chōng)账(zhàng)    ・        ・  バーゲン
七(qī)折(zhé)     ・        ・  2個購で1個プレゼント
大(dà)甩(shuǎi)卖(mài)   ・        ・  精算する
折(zhé)扣(kòu) ・      ・  割引
买(mǎi)两(liǎng)个(ge)送(sòng)一(yí)个(ge) ・    ・ 30%OFF

量(liàng)词(cí)”
 量詞はモノを計る言葉です。モノの数量を表します。日本語にも助数詞がありますが、中国語での量詞と名詞の組合せと日本語での助数詞と名詞の組合せとでは異なるものもあるので留意が必要です。
 目は“对”、メガネは“幅”。イヤリングも“幅”。「夫婦」は“对”、「花瓶」も“对”。花瓶は2個が基本セット。「箸」と「靴」「手袋」はいずれも“双”。
 同じ「リンゴ」「ブドウ」でも、どの量詞を用いて数えるかには適切な組み合わせが必要です。
日本語の助数詞は正しく使えているだろうか…

koneta07_1

 それぞれ何で数えるでしょうか?( )に記入しましょう。
koneta07_1

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第8課 それとも…?

“麦当劳”マクドナルド
 今や中国の都市部ではどこででもマクドナルドを見かけるようになりました。中国のマクドナルドは90年に広東省深圳市に第1号店が開店して以来、2010年のデータでは店舗数は850まで増えています。人口10万人に対してアメリカやカナダは4店舗以上あり、日本では約3店舗あるそうです。ちなみに中国では人口10万人に対して0・06店舗と、まだ少ないようです。これからも増加の余地がありそうです。
 中国で人気のファーストフード店として “肯德基”ケンタッキーも欠かせません。2014年現在3321店舗あるようです。 他にも、日本の“吉野家”「牛丼の吉野家」、“王将饺子”「餃子の王将」、“千味拉面”「味千ラーメン」などなど中国に進出している企業も多くみられます。
参考:百度

“星巴克咖啡”スターバックスでカスタマイズ
热(rè)(的(de)) ホット
冰(bīng)(的(de)) アイス
星(xīng)冰(bīng)乐(lè) フラペチーノ

カップのサイズ:
小杯(xiǎobēi) ショート
中杯(zhōngbēi) トール
大杯(dàbēi) グランデ
超大杯(chāodàbēi) ヴェンティ

ドリンクメニュー:
美(měi)式(shì)咖(kā)啡(fēi) カフェ・アメリカーノ
浓(nóng)缩(suō)咖(kā)啡(fēi)  エスプレッソ
浓(nóng)缩(suō)康(kāng)保(bǎo)蓝(lán) エスプレッソ・コンパナ
浓(nóng)缩(suō)玛(mǎ)奇(qí)朵(duǒ)  エスプレッソ・マキアート
密(mì)斯(sī)朵(duǒ)咖(kā)啡(fēi) カフェ・ミスト
抹(mǒ)茶(chá)拿(ná)铁(tiě) 抹茶ラテ
红(hóng)茶(chá)拿(ná)铁(tiě) 紅茶ラテ

ショット数:
加(jiā)浓(nóng)缩(suō)咖(kā)啡(fēi)  ショット追加
双(shuāng)份(fèn) ダブル
三(sān)份(fèn) トリプル

トッピング:
香(xiāng)草(cǎo)糖(táng)浆(jiāng) バニラシロップ
焦(jiāo)糖(táng)酱(jiàng)  キャラメルシロップ
榛(zhēn)果(guǒ)酱(jiàng) ヘーゼルナッツシロップ
摩(mó)卡(kǎ)酱(jiàng) チョコレートソース

いざ!カスタマイズ!   
たとえば、「ホット トール カプチーノ」と言いたいときは?      
… “热(rè) 中杯(zhōngbēi) 卡布奇诺(kǎbùqínuò)”  

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第9課 どこにいるの?

店舗
 都市では大型スーパーがあり、食料品、日用品、衣料品、電化製品と何でもそろっています。カルフール“家乐福”、ウォルマート “沃尔玛、ロータス “易初莲花”、イトーヨーカドー “洋华堂”、ジャスコ“佳世客”などおなじみの外資系スーパーも多くみられますよ。

“不见不散”
 中国では誰かと待ち合わせの約束をした場合、よく“不见不散”という言葉を使います。「不见=会わなければ、不散=離れない」、つまり「あなたと会うまで必ず待っています」というような意味です。中国人は時間の感覚も大陸的なので、30分や1時間の遅刻はよくあること。以前は、この言葉で約束したからには、相手が姿を見せるまでずっと約束の場所で待っていなければなりませんでした。でも、携帯電話が普及した今、“不见不散”と約束しても、その場にじっと待つことは、もう必要ないかも知れませんね。

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第10課 電話中なの

電話
 中国で電話を受けると、いきなり“你是谁?”「どなた?」と尋ねられることがよくあります。日本の習慣では、電話をかけた方がまず名乗るのがエチケットなので、ちょっとびっくりしますね。これについては、人によって理由付けが異なるようです。中国ではもともと電話回線が少ないため、個人の自宅に電話を置くのは珍しく、大抵相手の勤務先に電話をかけるのが普通でした。そこで、相手の勤務先の誰が電話を受けてくれたのか、まず確認するという説。あるいは、「自分は名乗るほどの者ではない」という謙遜の意識から、自ら名乗ることはしないという説。
 いずれにしても、携帯電話の普及で、これからは受け手を確認する必要がなくなりそうです。ちなみに、携帯電話の保有率は世界一だそうです。

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第11課 辞書を使っていいですか?

“高考”
 中国の高校生にとって、もっとも重要な試験は“高考”。 正式名称は“普通高等学校招生全国统一考试”といいます。つまり中国で実施されている大学入試システムのことですね。中国語で“高等学校”といえば大学のことですから、間違えないようにしましょう。中国の学期は秋始まりです。9月に新学期が始まるため、入試は6月に実施されています。大学や専攻に関係なく、進学希望者が全員同じ試験を受け、その結果によって合否が決まるというもの。人口が多いので競争率が非常に高く、試験の難易度は世界一といわれるほどです。
 高校3年生ともなると、毎日主要科目のみを学習し、テスト慣れするために模擬テストも頻繁に行われます。栄養剤の点滴とコーヒーで極限まで頑張り、入試が終わったとたん過労で倒れる生徒も少なくないといいます。辞書持ち込みどころか、辞書を丸暗記する勢いで試験に臨むのが中国流。
 あまりに過酷な試験のため、家族の全面協力はもちろん、周りの人々も受験生には協力的で、渋滞で試験に間に合わなくなりそうな時には警察が先導してくれたり、試験当日に体調を崩して病院で受診した生徒を試験会場まで救急車で運んでくれた、などというニュースも報道されるほどです。

参考:https://www.hirogin.co.jp/lib/kaigai/shanghai/report/s1107.pdf

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第12課 一緒に行かない?

中国のお正月
 日本のお正月といえば除夜の鐘や初詣をイメージする人が多いと思います。厳かで静かな雰囲気ですね。一方、中国のお正月の風物詩といえば爆竹や獅子舞で、にぎやかで威勢の良い雰囲気です。爆竹は古くは竹の筒に火薬をつめて火をつけ、その爆発音で邪悪を追い払うという習慣がありました。現在では火薬を紙で包み、竿の先につるしたものが使われます。元旦には、家々で爆竹を打ち鳴らし、町中に爆発音が響きわたります。ただし、近年は大気汚染の深刻化で、都市部では春節の爆竹が禁じられたり、制限される動きもあります。爆竹の使用が許可されている地域では、だいたい一度につき1千~2千発、多いときには1万発も鳴らすといいます。こうなると、立て続けの爆音とともに、一帯には大量の煙が立ち上り、とても窓を開けて爆竹の様子を観察できる状態ではありません。
 中国にももちろんお年玉“压岁钱”がありますよ。金文字で“压碎包”と書かれた赤い袋に入れます。
そうそう、中国のお正月は“春节”といって、西暦ではなく旧暦でお祝いするということもお忘れなく!

参考:高等学校中国語教育研究会関西支部HP

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小明神(しょうみょうじん)

小明神(しょうみょうじん)高校中国語教員

投稿者プロフィール

『基本の中国語を楽しく学ぶ 中国語一年生』(好文出版)著者、『高校中国語2』(白帝社)共著者。現在、奈良、兵庫、大阪を活動拠点として高等学校および大学での中国語教育に携わる。近畿地区の高等学校勤務歴は、三人合わせて全16校。高校中国語教育のことならお任せください!

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