第11回 変わりつつある中国のサービス――日本人家族のとある日常in上海

変わりつつある中国のサービス

先日上海の空港を利用する機会がありました。
去年自分が中国に来た時はそこまで気にして見ていなかったので、その時点でどうだったかちょっと記憶にないのですが、つい先日空港で荷物を待っていた時になんだかその場がすごく整頓された印象を受けて、よく見たらベルトコンベアーに乗っかっているバッグが綺麗に並んだ状態で流されていました。
もしかすると理由はこれだけではないかもしれませんが。

去年の今頃、中国の友達がWeChatのTimelineでupしていた記事があって、それを読んだ時(当時まだ自分も上海に来たばかりで、中国ってどんな国?と思っていた頃)、やっぱり日本って素晴らしいなぁ、なんて思った記憶があります。

↓こちらがその記事の内容。
『最近日本机场托运行李的视频火了!和其他国家一比,更是引发网友热议!』
https://www.sohu.com/a/246680351_165440

この夏日本に帰国した息子がしみじみと「日本のコンビニとかやっぱ丁寧だよね。道も綺麗だし、犬のフンとかも落ちてない。」と話していました。
それに続けて、
「でもなんか中国に慣れちゃうと日本がちょっと面倒くさいと思う部分もある。道とかで人とぶつかって、中国だと『あ、スマン』って感じで終わりなのに、こっちだと『すみません!ごめんなさい!大丈夫ですか?』みたいな感じじゃん。なんかあっちで慣れちゃったら別にそれでいいっていうか、どっちが良いって話でもないよね」と言っていて、その見解がすごく興味深いと思いました。

これぞ本当に文化の違い、言葉の違いですね。
どっちがいい、どっちが優れてるという話ではなく、それがその国の文化なんですよね。
どちらかがbetterだからそうなるべきだ、という話ではなく、「そうなんだぁ。そういうのもアリだよね」と理解することが大事なんですよね。

でも、例えば空港の荷物のように、取りやすいようにとか、相手の立場を考えてとか、そう言ったThoughtfulな態度や姿勢は文化の違いに関係なく、影響しあって良い方向に変わっていくことはいいことだと自分は思います。

日本のファストフードのお店にしてもコンビニにしても、例え数十円の買い物でも店員さんはいつもニコニコ。
両手でお釣りを渡してくれます。これは本当に事実。
上海もそのうちそうなるんじゃないかなぁと自分は思っています。

今上海はゴミの分別で市民はてんやわんや。
7月から施行されたゴミの分別に関する規制では、場所によってはゴミ置場に監視カメラが設置されてゴミの捨て方で違反すると警察に通報されるとか、いろいろな話をすでに聞いています。
ちょっと厳しいような印象を受けますが、だからこそ上海は変化が早いのかもしれませんね。
上海が日本のように綺麗な街になるのもそう遠い話ではないのかな、と密かに期待しています。
ちなみに日本も汚い路地裏はまだまだ健在ですが。

今すでに、お店に入ったら「欢迎光临!」と笑顔で迎えてくださる店員さんも上海にはたくさんいます。
でもすっごく怖い顔で対応している店員さんに出会う率が日本に比べて高いのも事実です。
そんな可愛い店員さんを見るたびに、笑ったらもっと可愛いのになぁ…、といつも思います。
別に笑顔で対応することが求められていなければ、疲れているときにわざわざ笑う必要もないのかもしれません。
でもやっぱり同じ値段同じサービスで店が横に並んでいたら、店員さんのサービスでどちらか一方に行き付けるようになったりしますよね。
自分は怖い店員さんを見るとついどうにかして笑わせたろ、と変なチャレンジ精神が湧き上がってきて、習いたてのヘタクソな中国語を喋ってみたりします。
すると結構笑ってくれたり。
きっと自分が中国語が話せたら、別にみんな怒ってるわけではないということも話しながらわかるんだと思います。
言葉ができないせいで誤解してしまっていることもきっとすごく多いですよね。
中国のサービス事情が変わってきていることも事実だし、言葉が通じないせいで中国人の店員さんを誤解してしまっていることも事実です。
なんだか変なまとめになってしまいましたが、自分も中国にいるのだから中国語が喋れるように頑張ろうとつくづく思う今日この頃です。

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東山志帆上海交通大学外国語学院博士課程

投稿者プロフィール

 現在、上海交通大学外国語学院博士課程に在籍。研究分野は多文化的アイデンティティー、異文化への順応、教育機関における多文化的アイデンティティーを持つ児童生徒学生たちの脆弱性、異文化理解教育、教員教育、日中間の更なる相互理解など。2018年4月に夫の転勤に伴い、17歳、15歳、13歳、7歳の子供たちと共に上海に移住。中国に来る以前にカナダでの育児経験もあり、著者自身学生時代をカナダで過ごす。日本在住中は塾や公立中学校の英語科非常勤講師としてこれまで約15年間にわたり教育に携わってきた。日本社会、特に教育機関における帰国子女や今後日本でさらに増えるであろう海外からの留学生や移民の子供たちに対する更なる理解やサポートの充実化、日中の相互理解に向けた取り組みや双方の留学生交流の促進などが現在の主な研究テーマ。

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